2011年9月14日水曜日

2011.9.8~11 南アルプス 大門沢 池之沢 大井川東俣 農鳥沢を越えて広河原へ(1)

 今年の台風14号は物凄い雨だった。ゆっくりと、日本の真中ら辺を横断したおかげで、各地に甚大な被害をもたらした。被災された皆様に心からのお悔みと、これからの御多幸をお祈り致します。
 ともあれ、台風も行ってしまったし、そろそろ山に行かないと、最後の18切符を使い切れないので、何とか休みをやり繰りして、復帰後の最大の課題というか目標である、南アルプス源流詣に出かけることにした、休みが3日しか無いので、前日に身延入して始発の快速広河原行きに乗るつもりでありましたが、良く見るとバス停の時刻表に運休の貼紙。ありゃ、やってしまったか~仕方ないので、普通の奈良田行きのバスに乗ることにして、バス停で野宿。
 朝起きて身支度していると、山行きの格好をした人たちが集まってきたではないか。よく聞くと今日から運行再開だそうで、ラッキーである。しかしこれが後で、大問題となるのです。まあ、いつものことで事前に下調べしないからそうなるのであって、懲りない私であります。一応甲府行きのバスも動いているというのも確認したので、安心していたのですが…取りあえず出発です



発電所前で降りて、トンネルのガードマンさんと少し話してみると、今日の最初の目的地である大門沢小屋に行くルートの橋が全部流されているそうな!大丈夫かな~と思いつつ慣れた登山道を上がっていくと、吊り橋から見える流れはまだ、濁流に近い。大きな岩が崩れていたりして、不安が増してきます



登山道の脇に可憐な花、ホッとします



いきなり、渡渉困難。太古沢だと思うけど、普段は靴が濡れることはありません。しょうがないので靴脱いで、渡れそうな所を探して何とかクリア



気持ちの良い森が続きます。シンクロみたいな、幹



テングダケ






次の沢も大氾濫でここも、靴脱いで渡りました。沢靴はあるんだけど、濡らすと重くなるので出来るだけ使いたくないな~と言うわけで、裸足で渡りました。しかし冷たい



大門沢小屋下の手前の渡渉点、しっかり橋が流されていて仕方ないので、沢靴に履き替え、岩伝いにジャンプ、何とか渡れました



 小屋下の橋も流されていてここも渡れそうなところを渡渉、大分時間食ってます。やけくそで、少し竿出してみましたが、まだ濁りが入っているのか、それとも居ないのか全然反応無し。



 小屋に寄ってみると、ご主人、驚いて「久しぶりだね~、良く上がってきたね~」、まあなんとか、来ました。どうせなので、昼飯を作って食べる事にしました。飯作りながら話を聞いてみると、もう10日も雨で客なし、今まで見たこともない雨だったよ!雨が上がって3日経つけどまだ水が引かないんだよ。こんなの初めてだよ。



 今回は相当降ったみたいで、東俣大丈夫かな



大門沢から上も全部橋流されてるよ。って言われた通り見事に橋は無し。このへんは大した沢ではないので、問題なく渉れた



トオリカブト







アキノキリンソウ?



カニコウモリ



アマニュウ?


オカ トラノオ



ガマズミ?



2000m越えて最後の水場付近。まだ轟々と流れている



オオヤマボクチ



樹林帯の急登、やっと終わりがけです。毎回ここで死にます。今日は特にダメで、時間がどんどん過ぎて行きます



何とか樹林帯を抜けて雲の合間に富士山が見えました。でも身体はもう動きません、予定では池之沢の原頭まで行くつもりでしたが、全然無理で、大門沢下降点直下のモレーンでビバーク、ああ先が思いやられます



  モレーンのそこの少し平になった所が丁度良い感じのテンバになっているので、少し早いけど、行動停止。へろへろなので飯作る元気も無く、パンとチーズとワインで晩飯。直ぐに就寝。夜中に少し起きて月を眺め、ワインがまだ残っていたので、少し飲んだ。月が煩いくらいに明るくて、よく考えてみたら、もうすぐ中秋の明月。明るくて当たり前だった。今夜は13夜というところか。神秘に月に照らされたモレーンと虫の声を聴きながらグビりとワインを流し込んだ。とても冷えていて、温かいものが欲しくなったので、お湯を沸かしてお湯割りを作り、月光に照らされた稜線を見るともなしに見ていた。このまま行けるのだろうか、予定よりも、4時間くらい遅れている。今までで一番厳しい工程になってしまった。
 考えてもしょうがないので、お湯割りを飲み干し、もう一度寝た。




身延駅(6:35)‐登山口(8:25)‐大門沢小屋(12:00)‐最後の水場(14:00)‐モレーン(16:20)






身延‐発電所前(山梨交通) ¥1920 途中コンビニで少し停車、奈良田でも少し停車



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